お知らせ

2026年5月13日

ゼロカーボンの未来を描く学生たちの挑戦

関西電力の銀行サービス「CQ BANK」では、ゼロカーボン社会の実現に向け、次世代を担う若者とともに社会課題を考え、行動変容につながる取り組みを育む活動を進めています。

その一環として、日本工学院専門学校の放課後プロジェクト「Vision Craft」との産学協働プロジェクトを実施しています。本プロジェクトでは、学生ならではの柔軟な発想と、関西電力が培ってきた知見を掛け合わせながら、“ゼロカーボン社会に向けた行動変容を促すコンテンツ”の創出に挑んできました。

そしてこのたび、2026年2月27日の卒業展示会をもって、本プロジェクトは一つの節目を迎えました。本記事では、中間報告から卒業展示会の取組みを、学生グループ3社(「トライフープ社」「Greenmate社」「POPUKO社」)の振り返りとともにご紹介します。

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植物と向き合う体験をかたちに──トライフープが貫いた「植物との対話」
「トライフープ」は、“植物と心を通わせる”体験を軸に、環境行動を促すサービスを検討しました。

中間発表後、「誰のどんな課題を解決するのか」という問いに対する解像度を高めるため、学内外で調査を実施。

その結果、40代を中心に「植物と心を通わせる」という本来目指していたニーズが存在する一方、若年層を中心に「キャラクターやゲーム要素」に惹かれるニーズが最も大きなセグメントとして現れたのです。 ゲーム要素を強めれば、より多くの人に受け入れられる可能性はあります。しかし、それでは本来の目的を見失ってしまうのではないかと感じました。本来の目的は「環境問題に良い影響を与えるアイデアを考えること」で、スマートフォンの画面に夢中になるサービスではありません。「目の前の植物とより楽しく向き合うためのサービス」をつくることを重視する方針を選択しました。植物そのものに目を向けてほしい。そうした思いから、「植物と心を通わせる」というコンセプトを大切にし、キャラクター要素を排除するという決断をしました。この判断は、これまでの活動の中でサービスの方向性を大きく変え、トライフープとしての「ぶれない信念」を確立する大きな転機となりました。

最終報告会に向けては、プレゼンの練習と意見交換を行い、内容を磨き上げていきました。展示では来場者に直接アイデアを伝える機会もあり、対面で思いを届けることで共感が広がるとともに、伝え方の重要性も実感する機会となりました。

この挑戦はここで終わりではなく、これからも新しいステージへと続いていきます。

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自己肯定感を高めるアプリを目指して──Greenmateが見つけた「本当のターゲット」
「Greenmate」は、自己肯定感と脱炭素行動を掛け合わせたアプリを検討しました。

サポートAIがユーザーの日常の小さな行動を提案し、それを達成するとAIが褒めてくれるという仕組みです。そこに脱炭素につながる生活習慣も自然な形で取り入れることを目指しました。

出発点にあったのは、「努力しているのに結果が出ず、自信を失ってしまう人を支えたい」という思いです。

当初は、そうした“自己肯定感が低い人”をターゲットに設定していましたが、学内・全国調査の結果、当初ターゲットとしていた層には必ずしも響いていないことが明らかになりました。

全国調査では、アプリ名を「毎日ヒーロー」、キャッチコピーを「毎日を成功体験に。自分革命の始まりだ。」とし、ポスターでは「革命」という言葉のイメージを視覚的に伝えるため、現在の自分と殻を破った自分を対比させたビジュアルを制作、成長や変化を表現しました。しかし、その強い言葉や変化を促す表現は、かえってプレッシャーとなり、本来届けたい層には響かなかったのです。

この結果を受け、ターゲットを「すでに努力しており、さらに成長したい人」へと再定義。日々の小さな行動を“成功体験”として可視化し、その積み重ねが自己肯定感の向上につながる設計へと見直しました。

また、脱炭素行動についても改めて考え直しました。「脱炭素行動をしたい」という明確なニーズそのものは多くないのではないかと考えています。そこで、脱炭素行動を強く訴えるのではなく、ユーザーが自然に取り組める生活習慣の中に脱炭素の要素を取り入れることを目指しました。

例えば、エコバッグを持つことや、こまめに掃除をすること、室外機が直射日光に当たらないようにすることなどを、「少し丁寧な生活」や「レベルアップした生活習慣」として提示することで、自然と脱炭素行動につながる仕組みを考えました。

自己肯定感ブーストアプリとして始まったこのプロジェクトですが、最終的に大切にしてきたのは、「利用者を成長へと導きたい」という思いでした。夢や憧れを見つけ、自分に合った努力の方法でそこへ近づいていく。そして最終的には、その憧れを超えていってほしい。そうした思いを、最終報告会では言葉や表現を工夫しながら伝えました。

もしこのアプリが実現するなら、努力した分だけ自分のことを好きになり、さらに挑戦したくなる。そんな前向きな循環を生み出すアプリにしたいと考えています。

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ポイ捨て問題を解決したい──POPUKOがアンケートから見つけた「新しいターゲット」
「POPUKO」は、ポイ捨て問題の解決に向けた、ごみ圧縮サービスを検討しました。

当初は、「ゴミを気にすることなく、スマートに街を歩きたい学生」をターゲットに設定し、「ゴミは圧縮しても、品位は圧縮しない。」というキャッチコピーのもと、検討を進めました。

アンケート結果は、20代の学生に加え、30〜40代からも一定の評価を得ることができました。特に、週に2〜3回程度買い食いをする層からは高い関心が寄せられました。

一方で、毎日のように買い食いをする人からは、「必要ない」という声が多く寄せられる結果となりました。

この背景を分析した結果、日常的に買い食いをする人ほど行動がルーティン化しており、ゴミ箱の場所も把握しているため、不便を感じていないのではないかという結論に至りました。
この気づきをもとに、チームはターゲットを再検討。新たに「祭りやイベントなど非日常の場面でゴミを気にしたくない人」や、「ペット連れや子育て中など、持ち帰るゴミが発生する人」に着目しました。

卒業展示では来場者にプロダクトを紹介し、多くの好意的な感想が寄せられました。最終発表も無事に終え、本プロジェクトを通じて、実社会における商品企画のプロセスを実践的に学ぶ貴重な経験となりました。

今回のプロジェクトでは、決して順調なことばかりではありませんでしたが、実際の社会で行われている商品企画のプロセスを学生のうちに体験できたことは、とても貴重な経験だったと感じています。

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挑戦は、ここから次の社会へ
本プロジェクトを通じて、学生たちは単に課題に取り組む存在から、自ら問いを立て、検証し、価値を形にする“創り手”へと成長しました。最終報告をもって、2025年度のプロジェクトは一区切りを迎えます。

しかし、ここで生まれたアイデアや学びは、それぞれの学生のこれからの挑戦の中で、新たな形へと広がっていきます。

※本プロジェクトは、関西電力の「CQ BANK」による収益の一部を活用した取組みではありません。試行的に「新しいチェレンジを応援する」活動の一例として実施しています。関西電力「CQ BANK」では、次世代を担う若者とともに、ゼロカーボン社会の実現に向けた新たな一歩を踏み出しています。